日本の50代で「持ち家なし」という状況は、珍しくなくなっています。総務省統計局の最新調査(2023年)によると、50代の持ち家率は約65.5%で、30年前から10ポイント以上低下しています。特に都心部や独身者では持ち家率がぐっと下がっています。
持ち家がないことは、「老後の家賃負担」「高齢者が借りられる賃貸の不足」など、多くの悩みを抱えるのが現状です。
この記事では、統計データに基づいて「自分の現状を知る」ことから始め、具体的な資金計画・住まい対策・自治体の補助金活用法まで徹底解説します。
【現実編】50代持ち家なしの実態とデータ分析
統計で見る50代の住居事情
2023年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、50代の持ち家率は65.5%(40代は58%)で、大きく低下傾向にあります。
都市部ではさらに持ち家率が低く、東京都の50代の持ち家率は54.8%にまで下がります。
世帯構成別では、単身世帯が持ち家率の低下を牽引しており、50代単身世帯の持ち家率は35.1%(東京都は30.1%)で、賃貸住まいが多数派となっています。
参照元:総務省統計局 「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」
50代持ち家なしが直面する課題
持ち家なしのまま高齢期を迎える場合、「老後の生活費・家賃負担」が増加します。
また、大家の心理的なハードルや「孤独死」「家賃滞納」のリスクなどから、高齢者の賃貸契約は高齢になるほど難しくなっています。
60代・70代になってからの立ち退きや、何らかの都合で住み替えをしなければならなくなった場合には、家探しに苦労することになるでしょう。
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」にて、都内23区の「高齢者相談可」の賃貸物件は全体の3.5%ほどしかありませんでした。(2025年7月24日時点)
この希少性の背景には、「孤独死リスク」や家賃滞納の懸念、保証人確保の難しさ、物件維持への不安といった大家側の心理があります。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のアンケートによると、約7割の大家が高齢者の入居に抵抗感を持ち、年齢や健康面、経済面など複数の懸念から高齢者に対する審査が厳しくなっていることが予測できます。
参照元:【令和3年度国土交通省調査】(公財)日本賃貸住宅管理協会の賃貸住宅管理業に携わる会員を対象にアンケート調査(資料内p5)
参照元:賃貸アパート・マンション、不動産情報検索サイト - ハトマークサイト|(公社)全国宅地建物取引業協会連合会
【資金編】老後資金シミュレーションと準備戦略
持ち家なし老後資金の詳細計算
総務省「家計調査年報(2024年)」では、65歳以上の無職単身世帯の月あたりの支出は平均14万9,286円とされていますが、その中でも住居費の割合は人によって大きく差があると思われます。
都内のシニア向け賃貸で家賃は10万円~30万円程度が相場となっており預貯金や年金受給額によって、適切な家賃は異なります。
シミュレーションを活用すると、より現実的な資金計画が立てられます。アンジュプレイスの公式LINEでお友達登録し希望条件を登録するだけで、すぐに「推奨家賃の簡易シミュレーション」がご利用いただけます。
複雑な計算は不要ですので、ぜひ計画の第一歩としてお役立てください。
参照元:総務省 「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要(PDF:577KB)」
【住まい編】50代からの住まい選択戦略
賃貸の場合
高齢者向け賃貸住宅は、UR賃貸や「高齢者相談可」物件、公的住宅が代表格です。UR賃貸は保証人不要で契約しやすく、更新料や敷金制度も高齢者に配慮されています。
ただし、人気エリアの倍率は非常に高く、希望条件を妥協したりエリアを広げる必要があります。
また、民間の賃貸住宅でも、アンジュプレイスのような、まだまだお元気で自立した高齢者向けのシニア向け賃貸住宅のような選択肢も出てきています。
コチラの記事で、シニア世代が安心して賃貸住宅を探すために知っておくべき7つのチェックポイントを解説しています。参考にして、新しい住まい探しを計画的に進めてください。
60歳以上でも都営住宅に入居できる?入居資格から申込方法まで徹底解説!
高齢者(シニア)が賃貸住宅を探す前に気をつけたい7つのチェックポイント
住宅購入の場合
50代の住宅購入は、ライフプランが明確になった上で自分に合う住まいを選べる点などが挙げられますが、住宅ローンや将来設計の難しさなどデメリットもあります。
主なメリット
現在のライフスタイルに最適な住まい:子供の独立や親の介護など、将来設計が明確になっているため、無駄のない家の広さや間取りを選択しやすい。
趣味や理想の生活を反映できる:戸建ての場合、デザイン・設備の自由度が高く、ペットやガーデニング、楽器演奏などライフスタイルを重視した住まいづくりができる。
バリアフリーなど老後を見据えた設計:自分や家族の健康や老後の生活に配慮した住宅を選べる・建てられる。
頭金を用意しやすい:長年の貯蓄や退職金で頭金を多めに用意しやすく、その分ローン負担を軽減できる。
光熱費・維持費の負担軽減:必要十分の広さや高断熱仕様により、無駄な光熱費を減らせる。
主なデメリット
住宅ローン審査や返済のハードルが高い:ローン返済期間が短くなり、月々の返済額が高くなる。団信(団体信用生命保険)の加入も年齢や健康状態によっては困難。
再度の住み替えが困難:終の棲家となるため失敗ができず、住環境のミスマッチや隣人問題があっても簡単にやり直せない。
老後資金への影響:住宅購入・リフォームで大きな資金が必要となり、老後資金が不足するリスクがある。
ランニングコスト(維持費・税金):固定資産税や修繕費など持ち家特有の維持コストがかかる。
健康リスク・介護リスク:今後の健康状態や介護ニーズの変化による住み替え希望が生じても、物件の流動化が難しい場合がある。
年収別適正予算は一般的に年収の5~6倍が目安とされていますが、50代の場合は返済期間が短くなるため、頭金や諸費用の準備をしっかり行いましょう。
【対策編】年代別・状況別の具体的対応策
50代前半(50-54歳)の対策
一般的に、まだ住宅ローン申込が可能な年齢なので、住宅購入検討も選択肢になり得ます。老後資金の準備も加速させ、無理のない資金計画を作りましょう。
賃貸住まいの場合は「高齢者歓迎物件・UR賃貸」「自治体の家賃補助制度」を早めに探し始めることが重要です。
50代後半(55-59歳)の対策
定年退職後の生活設計に向け、退職金・年金受給額を踏まえた住まいと資金の最終決断時期です。
住宅購入は返済期間短縮・頭金多め必須で、中古住宅+リフォーム補助金活用が現実的です。
住み替えや家賃負担の軽減も自治体相談窓口や区営住宅活用など、複数の選択肢を検討しましょう。
状況別対応策
独身の場合は「保証人対策」の早期準備、夫婦の場合は「資金負担分担・老後プラン共有」が重要となります。
親の介護負担がある場合は「バリアフリーリフォーム補助金」や「福祉資金貸付制度」「近居支援」など、自治体の支援制度を活用しましょう。
まとめ
現実を受け入れ、冷静な計画と自治体・社会資源の活用で不安は大きく軽減できます。
不安を感じる時こそ根拠ある情報に基づいた現実的な対策が有効です。
50代からでも遅くはありません。計画的行動によって新しい住まいと安心を手に入れることが可能です。思い立った今こそ、老後の安心づくりに一歩踏み出しましょう。