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高齢者の転倒予防を考える家族へ|今すぐできる対策と道しるべ

高齢者の転倒予防を考える家族へ|今すぐできる対策と道しるべ

公開日

2025/7/3

更新日

2025/7/3

高齢の親御さんが「家の中で転びそうになった」「階段が怖い」といった言葉を口にし始めた時、離れて暮らす家族としては胸が締めつけられる思いをされたことでしょう。

転倒が原因となり、介護が必要になってしまうケースもあるため、親の身体機能の衰えは決して他人事ではありません。

特に一戸建てでの一人暮らしは、急な階段や浴室の滑りやすさなど、日常生活の中に多くの危険が潜んでいます。

本記事では、こうした現実に直面するご家族のために、高齢者の転倒予防に役立つ具体的な対策と、今後取るべき行動の道しるべを徹底解説します。

高齢者の転倒事故がもたらす現実と家族の不安

高齢者の転倒事故は、身近なリスクでありながら、その深刻さが見過ごされがちです。厚生労働省の「令和4年人口動態統計」によれば、2022年における高齢者(65歳以上)の転倒・転落・墜落による死亡者数は10,809人と、交通事故による死亡者数(3,534人)以上にのぼっています。

また、介護が必要となった主な原因の13.9%が「骨折・転倒」であり、認知症や脳血管疾患に次ぐ大きな要因となっています。

さらに、消費者庁の調査では、自宅での転倒事故が全体の約半数を占め、特に75歳以上の後期高齢者では、前期高齢者(65~74歳)の2.2倍も発生していることが報告されています。

こうしたデータからも分かる通り、「家の中で転びそうになった」「階段が怖い」といった親御さんの発言は、決して他人事ではありません。


参照元:厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査

参照元:厚生労働省 令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況

参照元:政府広報オンライン 

参照元:消費者庁 高齢者転倒事故資料

転倒・転落事故が高齢者にもたらす影響

骨折や頭部外傷が「寝たきり」や「要介護」の引き金に

高齢者の転倒は、骨折や頭部外傷などの重大なけがにつながりやすく、一度の事故で寝たきりや要介護状態になるリスクが高まります。

特に大腿骨(太ももの骨)の骨折は、入院や長期のリハビリが必要となり、回復にも時間がかかる傾向があります。

さらに、転倒による不安や恐怖心から活動量が減り、体力や筋力の低下が進むことで、再び転倒するリスクが高まる悪循環に陥ることも少なくありません。

事故の多発場所は「住み慣れた自宅」

消費者庁の公表資料によると、転倒事故の発生場所は浴室・脱衣所、庭・駐車場、ベッド・布団、玄関・勝手口、階段など、自宅が48%を占めています。

特に階段や段差、滑りやすい浴室は危険度が高く、実際に骨折や入院を必要とするケースが多発しています。


参照元:消費者庁 10  月10 日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう! -転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-

高齢者の転倒リスクを高める主な要因

・加齢による筋力・バランス感覚の低下

・視力や聴力の衰え

・持病や服薬によるふらつき

・家屋内の段差や滑りやすい床材

・照明不足や手すりの未設置

これらの要因は複合的に絡み合い、日常生活の中で思わぬ事故を引き起こします。特に一戸建て住宅では、階段や玄関の段差、浴室の出入り口など、物理的なバリアが多く存在するため、リスクが高まります。

転倒予防のために家庭でできる対策

住環境の見直しが最重要

転倒事故を防ぐためには、まず住環境の安全性を高めることが不可欠です。消費者庁は、以下の点に注意を呼びかけています。

<段差の解消やスロープの設置>

高齢者にとって、わずか数センチの段差でもつまずきや転倒の大きな原因となります。特に玄関、廊下、和室と洋室の境目、浴室やトイレの出入り口など、日常的に通る場所の段差には注意が必要です。

段差をなくすリフォームや、傾斜の緩やかなスロープを設置することで、歩行時の安全性が大きく向上します。また、目立つ色のテープやマークで段差を強調し、視認性を高める工夫も効果的です。

<階段や玄関、浴室などに手すりを設置>

階段や玄関、浴室、トイレなど、立ち上がりや移動の際にバランスを崩しやすい場所には、必ず手すりを設置しましょう。

階段は両側に手すりを設けることで、どちらの手でも支えられるようにし、浴室やトイレでは立ち座りの動作をサポートする位置に手すりを配置することが大切です。

手すりの太さや高さは、使用者の手の大きさや体格に合わせて選ぶとより安全です。

<浴室や脱衣所には滑り止めマットを敷く>

浴室や脱衣所は水滴や湿気で床が滑りやすく、転倒事故が特に多い場所です。滑り止めマットを敷くことで、足元の安定感が増し、転倒のリスクを大幅に減らすことができます。

特に浴槽の出入り口や洗い場、脱衣所の床など、濡れやすい場所に重点的に設置しましょう。マットは定期的に洗浄し、カビや汚れを防ぐことも忘れずに。

<夜間の移動に備えた十分な照明>

高齢者は視力の低下により、薄暗い場所での歩行時につまずきやすくなります。夜間のトイレや寝室から廊下への移動時には、足元をしっかり照らす常夜灯やセンサーライトの設置が有効です。

階段や玄関、廊下などの移動経路は、明るさを十分に確保し、スイッチの位置も分かりやすい場所に設置しましょう。LED照明など省エネタイプを選ぶと、長期間安心して使えます。

<通路に物を置かず、電源コードなどの障害物を排除>

室内の通路や移動経路に物が置かれていると、つまずきやすくなります。特に電源コードやカーペットの端、小さな家具や荷物などは、転倒リスクを高める要因です。

通路はできるだけ広く、障害物のない状態を保つように心がけましょう。電源コードは壁際にまとめて固定し、カーペットやラグは滑り止めシートでしっかり固定することが大切です。

定期的に家族で室内を点検し、危険箇所を見直す習慣をつけることが安全な住環境づくりにつながります。

これらの対策は一定の効果が期待できますが、築年数の経った一戸建てでは、構造上の制約から大規模なバリアフリー化が難しい場合も少なくありません。


参照元:消費者庁 10  月10 日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう! -転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-

身体機能の維持・向上

  • 適度な運動を継続し、筋力やバランス感覚を維持する

  • 定期的な健康診断や服薬管理を徹底する

身体機能の維持も転倒予防には不可欠ですが、加齢による衰えを完全に防ぐことはできません。

離れて暮らす家族ができる「見守り」と「安心」の工夫

見守りサービスや緊急通報システムの活用

近年は、センサーやカメラを活用した見守りサービス、緊急時に自動で家族や警備会社に通報するシステムなど、さまざまなサービスが登場しています。これらを導入することで、離れて暮らす家族も一定の安心感を得ることができます。

ただし、転倒事故は「予防」が何より重要であり、事故が起きてからの対応だけでは根本的な解決にはなりません。

「住み替え」という新しい選択肢――バリアフリー・安全・安心のマンションへ

マンションのメリット

①:段差の少ないフラット設計

一般的に、マンションならではのメリットとして、階段の昇り降りが不要になることや、玄関から居室までの動線がシンプルで見通しが良いことが挙げられます。これにより、一戸建て特有の急な階段や複雑な間取りによる転倒リスクが大幅に軽減されます。さらに、管理会社による建物の維持管理やセキュリティ体制が整っているため、離れて暮らすご家族も安心感を持ちやすいのが特徴です。

②:生活利便性

駅やスーパー、医療機関が近い立地が多い傾向にあり、買い物や通院、外出の利便性も高まっています。生活圏がコンパクトになり、日常の移動距離が短くなることで、転倒リスクのある外出時の負担も減らすことができます。

③:防犯性の高さ

マンションはオートロックや防犯カメラ、管理人による巡回など、防犯設備や管理体制が充実している物件が多く、高齢者の一人暮らしでも安心して生活しやすい環境が整っています。

マンションのデメリット

①:高齢者が借りられる物件は少ない

東京都内で高齢者が入居できる賃貸物件は多くありません。公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が運営するハトマークサイトで検索した結果(2025年6月時点)、「高齢者相談」可能な物件の割合は全体の約0.4%しかなく、高齢者向けの賃貸住宅は限られています。


参照元:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「ハトマークサイト」

②:見守りサービスや緊急時対応体制がないことも

通常の分譲・賃貸マンションは高齢者向け住宅のような手すりや見守りサービスが標準装備されているわけではありません。必要に応じて、手すりを設置したり外部の見守りサービスを個別に導入する必要があります。

③住民間の生活音や人間関係のストレス

マンションは壁や床を挟んで他の住戸と隣接しているため、上下階や隣室からの生活音が気になることがあり、集合住宅ならではのストレスを感じる場合もあります。

なお、リコーリースのシニア向け賃貸住宅「アンジュプレイス」は、都内の駅徒歩10分以内のエレベーターやオートロックのついたマンションに、手すりや24時間365日の駆けつけ体制を整えた見守りサービスや、2ヶ月に1回、社会福祉士などの専門スタッフが訪問して生活相談を実施する定期訪問サービスが付帯されていますので、ぜひ検討してみてください。

住み替えを検討する際のポイント

  • 立地や周辺環境(医療機関・商業施設の近さ)

  • バリアフリー設計の有無(段差・手すり・エレベーターなど)

  • 見守りサービスや緊急対応体制

  • 管理体制やセキュリティ

  • 入居後の生活サポートやコミュニティ活動

これらの条件を満たすマンションは、親御さんの安全・安心な暮らしを実現する有力な選択肢となります。

まとめ:親の「転倒不安」に、家族ができる最善の備えとは

高齢者の転倒事故は、命や生活の質に直結する深刻なリスクです。特に一戸建てで一人暮らしをされている場合、階段や浴室など住まいの構造が転倒リスクを高めていることが多く、離れて暮らすご家族の不安も大きいことでしょう。

住環境の安全対策や見守りサービスの導入はもちろん有効ですが、根本的な解決策として「バリアフリー設計のマンションへの住み替え」は、転倒リスクを大幅に減らし、親御さんの自立した安全な暮らしを支える現実的な選択肢です。

東京都内の都心部で、転倒対策が施された物件を探している方はぜひリコーリースのシニア向け賃貸住宅アンジュプレイスも選択肢に加えてみてください。