「親も高齢になってきたし、そろそろ同居を考えるべきか…」 そんな悩みを抱えていませんか。かつては当たり前とされた親との同居ですが、親御さんは同居を望んでいないかもしれません。内閣府の最新調査では、子どもとの同居を望む高齢者は全体の23.2%にとどまり、一方で「近居したい」と考える人が32.8%と最も多くなっています。背景には、生活スタイルの違いによるストレスや、終わりの見えない介護への不安など、切実な問題があると考えられます。この記事では、親との同居を考える際に直面しやすい現実的な課題や、近年注目されている「近居」という新しい選択肢について、客観的な視点から解説します。参照元:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」「こんなはずじゃなかった…」親との同居で起こりがちな4つの問題長年別々に暮らしてきた親子が一つ屋根の下で暮らすことは、想像以上に難しい側面があります。同居した場合に生じがちな、主な問題を見ていきましょう。生活リズム・価値観の違いによるストレス「早寝早起きの親」と「夜型の自分たち」。食事の時間、テレビの音量、室温の設定など、日常の些細なズレが積み重なり、お互いにとって大きなストレスになることがあります。「良かれと思って」の行動が、相手には負担になるケースも少なくありません。過干渉とプライバシーの問題子世帯の家事や育児に親が口を出す「過干渉」は、よくあるトラブルの種です。一方で、互いに気を使いすぎるあまり、家庭内で親が孤立してしまうことも。プライベートな空間や時間を確保することが難しく、心が休まらないと感じる人も多いのが現実です。介護負担と「共倒れ」のリスク親の介護が必要になった時、その負担は子世帯に重くのしかかります。特に、仕事と介護の両立は心身を大きく消耗させ、介護離職や、介護する側も心身のバランスを崩してしまう「共倒れ」に繋がる危険性も。感謝の気持ちだけでは乗り越えられない、厳しい現実が待っているかもしれません。家族関係の悪化同居のストレスは、親子関係だけでなく、夫婦関係や自分の子どもとの関係にも影響を及ぼします。些細なことで口論が増え、家の中がギスギスした雰囲気に…。「親のために」と始めた同居が、家族の絆を壊すきっかけになっては本末転倒です。なぜ今、「同居」より「近居」が選ばれるのか?同居の難しさが浮き彫りになる一方で、「近居」という選択が支持を集めています。近居の最大の魅力は、「自立」と「安心」を両立できる点にあります。その理由を、メリットと共に見ていきましょう。お互いのプライバシーを尊重できる近居を選ぶことで、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した生活空間を持つことができ、日々の暮らしの中で無理に相手に合わせる必要がなくなります。たとえば、食事の時間やテレビの音量、来客の有無など、細かな生活習慣の違いがあってもお互いに干渉しすぎずに済みます。自分たちのペースを守りながら、親も子も心地よく過ごせるため、ストレスの少ない関係を築くことができるのです。必要な時にすぐ駆けつけられる安心感近居であれば、普段はそれぞれの生活を送りながらも、何かあった時にはすぐに親のもとへ駆けつけることができます。たとえば、体調を崩した時や急なトラブルが発生した場合でも、車や自転車、徒歩ですぐにサポートが可能です。日常的な見守りができるだけでなく、いざという時には迅速に対応できる距離感が、親子双方にとって大きな安心感につながります。こうした環境が、精神的なゆとりや余裕を生み出してくれます。柔軟なサポート体制近居の最大のメリットのひとつは、サポートの仕方を状況に応じて柔軟に変えられることです。たとえば、週末だけ一緒に買い物や食事を楽しんだり、親が体調を崩した時には短期間だけ手伝いに行くなど、必要な時に必要な分だけ助け合うことができます。日常的にべったりと関わるのではなく、お互いの生活リズムや予定を尊重しながら、無理なく自然な形で支え合えるのが近居の大きな特徴です。良好な関係の維持親子が適度な距離を保って暮らすことで、会う時間がより特別なものになり、自然と感謝や思いやりの気持ちが生まれやすくなります。頻繁に顔を合わせるわけではないからこそ、会話やふれあいの時間を大切にでき、ちょっとした気遣いにも敏感になります。こうした積み重ねが、長期的に良好な親子関係を維持する秘訣となり、無理なく温かい絆を育んでいくことができるのです。後悔しないために。親子で話し合いたい4つのこと同居や近居を具体的に検討する前に、必ず親子で、そして夫婦で話し合いの時間を持つことが大切です。感情的にならず、お互いの本音を共有するために、以下の点を話し合ってみましょう。目的の共有なぜ一緒に住みたい(近くに住みたい)のか? 不安に思っていることは何か?暮らしのルール生活費や家事の分担、お互いの生活で譲れないことは何か?将来の介護もし介護が必要になったら、誰が、どのように担うのか? 外部サービスの利用は考えるか?他の選択肢 同居・近居以外の選択肢(施設入所など)についても、可能性として話し合えているか?まとめ親を大切に思う気持ちから始まる同居の検討。しかし、その思いやりが、かえって互いを縛り付けることになっては意味がありません。生活スタイルの違いや介護負担など、同居には多くの現実的な課題が伴います。だからこそ今、お互いの自立を尊重しながら、必要な時に支え合える「近居」、新しい時代の家族の形として広がっています。東京都内の都心部で、親との近居を検討されている方はぜひリコーリースのシニア向け賃貸住宅アンジュプレイスも選択肢に加えてみてください。