近年、戸建て住宅やマンションでの物騒な事件が報道されるたびに、「本当に今の住まいで安心して暮らせるのだろうか」と不安を感じてはいませんか。特に高齢の親世帯やご自身がシニア世代の場合、防犯面への意識がいっそう高まるのではないでしょうか。見慣れた街や馴染みのある家でも、何かあってからでは遅いという思いを持つ方も少なくありません。本記事では、実際の統計データを読み解きながら、戸建てから防犯性の高いマンションへの住み替えを検討するシニア世帯やご家族に向けて、マンション内見時にチェックすべきポイントをご紹介していきます。近年の戸建ての強盗や窃盗の件数データ東京都では、2024年の刑法犯認知件数は94,752件となっています。そのうち、住宅対象の強盗は276件、侵入強盗は71件と報告されています。侵入窃盗に関しては一戸建て住宅が最も多く、都市部の一戸建ては泥棒に狙われやすい傾向にあると言えます。全国を対象とした侵入窃盗のうち、戸建てが全体の約30%以上を占めるという統計も出ており、まさに戸建て住宅への防犯意識が強く求められていることがわかります。参照元:東京の犯罪(令和6年版) 警視庁参照元:住まいる防犯110番 警察庁|データで見る侵入犯罪の脅威特に高齢者が狙われやすい?高齢者が犯罪被害のターゲットになりやすい理由としては、身体機能や認知機能の低下に加え、単身や夫婦のみの世帯で外部との接触が限られ犯罪者から“狙われやすい家”と判断されやすい点が考えられます。実際に、令和元年には高齢者の被害割合が刑法犯全体の12.3%、殺人の被害者では28.3%、窃盗で11.1%を占めるなど、決して無視できない高水準にあります。近年では特殊詐欺と呼ばれるような、電話など非対面で現金等をだまし取る犯罪に高齢者が巻き込まれるケースが急増していますが、依然として窃盗や暴行に巻き込まれる高齢者の割合も年々増加しています。参照元:令和2年版 警察白書 第1節 高齢者を犯罪・事故から守るための警察の取組マンションと戸建ての防犯性比較警察庁のデータによると、一戸建ては侵入経路が多く、不在時や夜間に空き巣被害に遭いやすい傾向にあるようです。令和6年度に発生した侵入犯罪のうち、一戸建て住宅は約1万2,000件であったのに対して共同住宅では約4,500件でした。さらにそれら侵入犯罪の侵入口を調査したデータがあります。マンションなど共同住宅の場合、「その他の出入り口」からの侵入は2.9%であるのに対して、一戸建て住宅の場合は15.1%と高い割合でした。一戸建ての侵入経路の多さが伝わる結果となっています。このようにマンションと戸建てで比較した場合の安心感は、多くのシニア層にとって大きなメリットとなるでしょう。マンションの防犯性が高い理由マンションの防犯性が高い理由は主に以下の通りです。まず、部外者が容易に侵入できない「オートロックシステム」が設置されている物件が多い点がポイントです。2000年以降に建てられたマンションではオートロックの普及率が高いとされています。さらに、共用部分には複数の防犯カメラやモニター付きインターホンが設置されているケースが多く、夜間照明や24時間の管理人常駐など、人の目が絶えない物件もあります。不審者にとって侵入しにくい建物構造やセキュリティシステムが多重的に備えられているため、抑止効果も非常に高くなっています。また、住民同士のつながりが生まれやすい点も、未然に犯罪を防ぐ上で重要な要素となっています。マンション内見時の防犯チェックポイント実際にマンションへ住み替えを検討する場合、下記の5つのポイントは必ずチェックしましょう。1.エントランスのオートロック有無と作動状況不審者侵入を物理的に防ぐ一番重要な条件です。非接触キーや生体認証など最新型はより安心です。2.監視カメラの設置場所と作動状況エントランス、エレベーター、駐車場、階段、ゴミ置き場に設置されていると効果的です。3.モニター付きインターホンの有無来訪者の顔が映る安心感は、特に高齢者家庭では大きな安心材料となります。4.夜間照明や共用部の明るさ共用廊下や外構部が薄暗くないか、夜でも十分明るいかも忘れずチェックしましょう。5.管理人の常駐・セキュリティ会社の提携24時間管理体制や緊急時のレスポンス体制も、安心できるマンション選びには重要です。管理人常駐物件は数が少なくなってきているので、高齢者向けの見守りサービスなどによる緊急時の駆けつけ体制を整えることでカバーできる部分もあります。これらを確認することで、未然に犯罪を防ぐリスクを最小限にできます。東京都内の自治体による防犯補助金防犯性の高いマンションに住み替えたいけれども、今すぐは難しいという方もいらっしゃると思います。そんな方に向けて、東京都内では、防犯対策に関する補助金制度が各自治体で拡充されています。例えば港区では、玄関や窓の防犯対策費用の4分の3(上限4万円)を助成しています。武蔵野市などでも、住宅での防犯対策のための設備設置費用について補助が出るケースがあり、上限は5万円の場合もあります。住み替え先を選ぶ際は、各自治体の公式サイトや窓口で最新の補助制度も確認してみましょう。参照元:港区ホームページ/住まいの防犯対策助成事業参照元:住まいの防犯対策補助事業が始まります(最大5万円)。|武蔵野市公式ホームページまとめ高齢者世帯やそのご家族にとって、防犯性の高い住まい選びはとても重要です。現状、戸建てよりもマンションの方がセキュリティ設備や管理体制の点で安全性が高いことが、警察庁データや各種リサーチからも裏付けられています。内見時には単に立地や間取りではなく、防犯設備が揃い安全性が担保されているかを必ず確認してください。60歳以上の方で、都内に防犯性の高いオートロック付きマンションをお探しの方は、リコーリースのシニア向け賃貸住宅「アンジュプレイス」をぜひご検討ください。