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家の老朽化で住み替えたい...高齢者の自宅売却と住み替え事情

家の老朽化で住み替えたい...高齢者の自宅売却と住み替え事情

公開日

2025/9/8

更新日

2025/9/8

日本の高齢者人口はますます増加しており、80代以上になっても自立した生活を望むアクティブな高齢者の住まいに対するニーズは多様化しています。

中でも、自宅の老朽化や健康面の変化、介護の必要性などから、「住み慣れた自宅を手放して賃貸に住み替えたい」「もっと安心できる環境で暮らしたい」と願う方は多いのではないでしょうか。

特に老朽化した住まいの維持には、費用面だけではなく体力的な不安もつきまとうため、簡単に解決策が導き出せる問題ではありません。

今回は、公的統計やアンケートデータに基づき、高齢者が自宅売却から住み替えを検討する際に直面する現実や、考えられるその後の選択肢について解説していきます。

高齢者の自宅売却事情について

実際に高齢者が自宅売却に踏み切るケースはどれくらいあるのでしょうか。

売却件数は増加している?

直接的な高齢者の物件売却数に関するデータは無いものの、売却数が増加傾向にあることが予測できるデータはいくつか存在しています。

2025年にアットホーム株式会社が地場の不動産仲介業を対象に実施したアンケート調査によると、「最近増えていると感じる売却案件のパターン」として「相続物件の売却」「高齢者の家じまい」が上位2つを占めました。

同じく2019年のアットホーム株式会社の調査によると、「2019年の取引のうち、高齢者との取引の割合」では「1割未満」が47%、「3割未満」35%と回答しています。

全体の取引を占める割合としては決して多くはないものの、「高齢者との取引は増えている」と答えた事業者が32%で、「減った」と回答した事業者を上回っています。

これらのデータからも、高齢者の自宅売却は年々増加してきていることが容易に推測できるでしょう。


参照元:地場の不動産仲介業における景況感調査(2025年1~3月期)|発行:アットホーム株式会社/分析:アットホームラボ株式会社

参照元:地場の不動産仲介業における景況感調査(2019年10~12月期)|発行:アットホーム株式会社/分析:アットホームラボ株式会社

売却のきっかけは?

同じく2019年のアットホーム株式会社による調査データを見ていきます。

主な売却のきっかけは、「相続のための現金化」「介護施設への転居資金」といったニーズが多く挙げられています。

加えて、「利便性の高い場所への住み替え」や「家族との近居」「面積の狭い住宅へのダウンサイズ」も、シニアの自宅売却における典型パターンとなっています。

「住んでいる家の老朽化」を理由とした売却は約1%と、数ある売却実績の中では非常に少ない割合であることがわかります。

自宅の老朽化に直面をしたとしても、売却ではなく修繕やリフォームなどによって解決していることが伺えます。


参照元:地場の不動産仲介業における景況感調査(2019年10~12月期)|発行:アットホーム株式会社/分析:アットホームラボ株式会社

自宅売却後の住み替え先事情

ここまでは高齢者の自宅売却に関するデータを見てきました。

ところで、高齢者は自宅の売却後にどこに住み替えているのでしょうか。

実際の転居データではなく、あくまでも住み替え先として検討している居住形態を確認する調査の結果をご紹介します。

持家に住んでいる人の約6割その後も持家(一戸建て、分譲マンション、シニア向け分譲マンション)への住み替えを希望しています。

持家の方の場合、賃貸住宅(一戸建て、民間アパート・マンション、公営住宅等)への住み替え希望者は約13%となります。

一方で賃貸住宅に住んでいた方は、住み替え先として賃貸を希望する方が約6割となっています。

これらのデータから、住み替えの際に住居形態を変更することには一定の抵抗があることが推測できます。


参照元:令和5年度 高齢社会に関する意識調査 Q21 |内閣府

高齢者可の賃貸物件が極端に少ない現実

高齢者が「住み慣れた環境」を離れたくないと願っても、実際に希望エリアで賃貸物件を見つけるのは非常に困難である可能性が高いのが現実です。

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」にて、都内23区の「高齢者相談可」の賃貸物件は全体の3.5%ほどしかありませんでした。(2025年7月24日時点)

この希少性の背景には、「孤独死リスク」や家賃滞納の懸念、保証人確保の難しさ、物件維持への不安といった大家側の心理があります。

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のアンケートによると、約7割の大家が高齢者の入居に抵抗感を持ち、年齢や健康面、経済面など複数の懸念から高齢者に対する審査が厳しくなっていることが予測できます。

一方、近年では自治体や民間による高齢者向け支援や保証制度の拡充も進んでいます。

またアンジュプレイスのような、まだまだお元気で自立した高齢者向けのシニア向け賃貸住宅のような選択肢も出てきています。


参照元:【令和3年度国土交通省調査】(公財)日本賃貸住宅管理協会の賃貸住宅管理業に携わる会員を対象にアンケート調査(資料内p5)

参照元:賃貸アパート・マンション、不動産情報検索サイト - ハトマークサイト|(公社)全国宅地建物取引業協会連合会


金銭的課題を解決する選択肢

こうした現状を踏まえて、「住み替えたいが手元資金がない」「今の家にも住み続けつつ、賃貸でもう一部屋借りたい」という人にはリースバックも有力な選択肢です。

リースバックとは、自宅を売却した上で元の家に賃貸契約で住み続けられる仕組みで、資金調達と居住の安定を両立できます。

お客様からのご要望があれば、賃貸貸契約をすることも可能です

特に高齢者世帯の利用が増えており、老後資金や介護費用、生活費、セカンドハウスなど自由な使い道で現金化できるメリットに着目されています。

また、リースバックで自宅が資金化されているため、介護施設に入る準備が整うという点も大きなメリットです。

健康状態が悪化してから売却活動をするのではなく、事前にリースバックで自宅を売却しておけば、介護施設入居まで住み慣れた家から引越しする必要がなく、心に余裕を持って自分に合った介護施設を探すことができます。

リコーリースでは「セリーブ」というリースバック商品も展開しています。興味のある方はぜひこちらをご確認ください。


参照元:セリーブ | 住宅賃貸・不動産関連 | 事業内容 | リコーリース株式会社

まとめ

日本の高齢者が家の老朽化や自身のライフステージの変化をきっかけに「住み替え」を決断するケースは今後さらに増加していきます。

自宅売却を踏み切る高齢者は増加していくと予測することができ、その後は新たな賃貸住宅やサービス付き高齢者住宅、そして家族との近居といった多様な選択肢を持って次の暮らしをスタートさせていくことでしょう。

特に「住み慣れたエリアでは物件が見つかりにくい」といった課題に対しては、シニア向け賃貸住宅やリースバックなど、従来にはなかった新しい選択肢が登場しています。

老朽化した家との向き合い方に正解はありませんが、早期の情報収集と信頼できる相談先を見つけ、経済面・健康面ともに自分に合った住まい方を選択することが重要です。