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80代は賃貸を借りられない?データで見る高齢者のお部屋探しの現実 と背景

80代は賃貸を借りられない?データで見る高齢者のお部屋探しの現実 と背景

公開日

2025/8/21

更新日

2026/2/16

「人生100年時代」、80代を迎えても自分らしい暮らしを続けていきたいものですよね。

自宅の管理負担や防犯面を考えて、賃貸住宅への引っ越しを検討する方、またそのご家族の方も年々増えてきているのではないでしょうか。

しかし、80代からの「賃貸探し」では年齢を理由に壁を感じることも少なくありません。

この記事では、統計データをもとに80代の賃貸探しの現状や課題、そして安心できる住まいを見つけるためのヒントを分かりやすくご紹介します。

データで見る80代の住まいの実態

80代の方々は、現在どのような住まいに暮らしているのでしょうか。まずは公的なデータから、その全体像を把握してみましょう。

漠然としたイメージではなく、客観的な数値を知ることで、ご自身の状況を冷静に捉え、次の一手を考えるための土台を築くことができます。

持ち家か賃貸か?80代の居住スタイルの現状

内閣府の調査によると、日本の高齢者世帯はその多くが持ち家に居住していることがわかります。

令和6年度のデータでは、65歳以上の約8割が持ち家(一戸建てまたは分譲マンション)に住んでいるという結果が出ています。つまり、高齢者の中で賃貸住宅に住む人の割合は2割にも満たないというのが現状です。

さらに詳しく見ると、年齢が高くなるにつれて持家率は高くなり、90~94歳の高齢者の中では9割以上の方が持ち家に住んでいます。

しかし、高齢者の"単身世帯"に目を向けると、少し様相が変わります。高齢者単身世帯では持ち家の比率が約62%(戸建て59.3%、マンション等の集合住宅3.3%)に下がり、賃貸住宅で暮らす人の割合は3割以上に増加します。

もともと一人暮らしだった方が戸建てを購入せずに賃貸住宅で生活し続けてきたということが考えられます。一方で、以前まではパートナーや家族と同居していた方であっても、単身になったことをきっかけに、よりコンパクトで利便性の高い賃貸住宅への住み替えているということも考えられるでしょう。


参照元:令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果

80代の賃貸探しが「厳しい」と言われる本当の理由

多くの方は持ち家に住む一方で、なぜ80代の方が賃貸物件を探そうとすると「厳しい」という現実に直面するのでしょうか。

その理由は、単に「年齢が高いから」だけではなく、賃貸市場全体や社会的な構造にも深く根ざしています。ここでは、大家側の意識と都内における物件供給の現状に着目し、背景を紐解きます。

高齢者に対する大家側の意識の問題

高齢の入居希望者が断られる主な理由の一つとして、大家さんや不動産会社が高齢者の入居に不安を抱いている現状があります。

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のアンケートによると、60%を超える大家が高齢者の入居に対し「抵抗感がある」と回答しています。その背景には以下のようなリスク要因が存在します。

まず挙げられるのは、「孤独死」への懸念です。単身高齢者が部屋の中で亡くなり、長期間発見されない事故物件となるケースを強く恐れる声が多く聞かれます。発生時には原状回復や次の入居者募集に多大な労力と費用がかかるため、リスク回避で高齢入居者を敬遠する傾向が強まっています。

また、「家賃滞納や契約上のトラブル」といった経済的な不安も理由の一つです。高齢者の所得は年金中心のケースが多いため、収入の安定性や急病時の支払い能力なども判断基準とされています。

加えて、亡くなった後の残置物の処理なども大きな負担となっており、子どもが遠方にいる・保証人が見つからないといった事情も、入居を断られる要因となっています。

このように、大家側のリスク認識が高齢者の入居を妨げていることは、データからも明らかです。


参照元:【令和3年度国土交通省調査】(公財)日本賃貸住宅管理協会の賃貸住宅管理業に携わる会員を対象にアンケート調査(資料内p5)

都内における"高齢者可"賃貸の供給量

東京都内では、人口減少や少子高齢化が進むにも関わらず、賃貸住宅そのものの供給数は増え続けています。

しかし、多くはファミリー向けや若年単身者向けで、バリアフリーや緊急通報設備など高齢者向けの仕様を備えた物件、あるいはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といった「高齢者可」物件の割合はごく一部にとどまります。

東京都住宅供給公社などが進める高齢者向け公的住宅や、各区による家賃補助の取り組みもみられますが、その供給規模は全体から見ればまだごくわずかです。都営住宅の応募倍率も、人気の高いエリアでは倍率100倍以上になってしまうこともあります。

さらに民間による賃貸住宅についても衝撃的なデータがあります。公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」にて、都内23区の「高齢者相談可」の賃貸物件はわずか49件しかありませんでした。(2025年7月24日時点)これは都内23区の賃貸物件の3.5%となります。

またこれらの物件はあくまでも「高齢者"相談可"」に分類されているだけであり、実際には申込をしても入居を断られてしまう可能性があります。

こうした背景から、80代のお部屋探しにおいて「選びたいのに選べない」「物件はあるが入れない」という課題に直面してしまう人が出てきてしまうのです。


参照元:賃貸アパート・マンション、不動産情報検索サイト - ハトマークサイト|(公社)全国宅地建物取引業協会連合会

80代からの賃貸物件探しの5つのコツ

「80代からの部屋探しは、やはり無理なのか…」と、心が折れそうになっている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、少し視点を変え、探し方を工夫することでお部屋探しがうまくいく可能性は高くなることでしょう。

ここからは、80代でも賃貸物件への住み替えを成功させるための5つの具体的なコツをご紹介します。

1.信頼できる不動産会社を味方につける

まず大切なのは、高齢者の入居に理解があり、親身になって相談に乗ってくれる不動産会社を見つけることです。

すべての不動産会社が、高齢者というだけで門前払いをするわけではありません。

貸主の不安を解消し、入居を実現させるために奔走してくれる担当者もいます。複数の会社に問い合わせ、丁寧に対応してくれる、信頼できるパートナーを見つけましょう。

2.「これだけは譲れない」条件を明確にする

お部屋探しを始める前に、ご自身の生活にとって「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を明確にしておくことが重要です。

例えば、「日当たりの良さ」や「1階であること」、「スーパーや病院が徒歩圏内にあること」など、これからの生活を具体的にイメージし、優先順位をつけましょう。

すべての希望を叶える物件を見つけるのは難しいため、条件を整理することで、不動産会社の担当者からも物件提案してもらいやすくなります。

3.エリアを広げて選択肢を増やす

希望のエリアで物件が見つからない場合は、少し範囲を広げて探してみるのも一つの手です。これまで考えもしなかった地域に、掘り出し物の物件が見つかる可能性があります。

東京都内の場合はシルバーパスを利用することでバスでの移動も格安になるため、検討範囲の拡大にもつながることでしょう。

馴染みのエリアに住みたい方は圧倒的に多数ですが、少し視野を広げるだけで、選択肢は格段に増えるでしょう。

4.生活費を見直して予算を確保する

お部屋探しと予算は密接に関係しています。当然のことながら、予算を上げることで検討できる候補物件は増加します。

現在の生活費を見直し、無駄な出費を抑えることで、家賃に充てられる予算を少しでも上げることが重要です。

家賃の支払い能力は、入居審査においても重要なポイントの一つです。年金収入に加えて、十分な貯蓄があることを示すことができれば、貸主の不安を和らげることができます。

5.思い切って荷物を整理し、広い間取りにこだわらない

長年住み慣れた家には、たくさんの思い出の品があることでしょう。しかし、新しい住まいにすべての荷物を持っていくことは、現実的ではありません。

住み替えを機に思い切って荷物を整理し、コンパクトな間取りの物件も視野に入れてみましょう。

部屋が狭くなることで、掃除や管理の負担が軽くなるというメリットもあります。また最近ではトランクルームや貸倉庫なども増えてきているので、最初はそのようなサービスを利用して徐々に断捨離を進めていくのも一つの手です。

新たな選択肢「アンジュプレイス」とは?

ここまで物件探しのコツをお伝えしてきましたが、近年では高齢者向けの賃貸住宅も登場してきています。

その一つが、リコーリースが提供するシニア向け賃貸住宅「アンジュプレイス」です。

原則60歳以上の自立〜要支援2の方を対象とした賃貸住宅で、高齢者が安心して暮らせるための様々な特徴を備えています。

「アンジュプレイス」の最大の特徴は、24時間365日対応の見守り・駆け付けサービスです。室内に設置されたセンサーが異常を感知したり、緊急通報ボタンが押されたりすると、警備会社のガードマンが駆けつけてくれるため、万が一の時も安心です。

また、オートロックや手すりの設置など、安全面に配慮した設計になっているほか、スーパーや医療機関が近い駅徒歩10分圏内の好立地に限定されているため、日々の生活も快適です。

身元引受人が見つからない場合でも、保証会社の利用が可能で、一部物件ではペットとの同居も相談できます。

これまでのお部屋探しで困難を感じていた方にとって、「アンジュプレイス」のようなシニア向けに特化した賃貸住宅は、非常に心強い選択肢となるでしょう。

最後に

80代からの住み替えは、決して簡単なことではありません。持ち家が多数を占める中、賃貸物件の選択肢は限られ、貸主側の懸念から入居を断られてしまうことも少なくないのが現実です。

しかし、それは賃貸への住み替えが「不可能」ということではありません。

ご自身の希望条件を整理し、信頼できる不動産会社と共に粘り強く探し続けること、そして「アンジュプレイス」のような高齢者向け賃貸にも目を向けてみてはいかがでしょうか。